「親知らず抜歯」、とりわけその「難抜歯」 実は女性の方が上手って知っていますか?
同等のテクニックでも、女性は男性の先生より腕力がないので、必要以上の力をかける加えることなく(侵襲を抑えることができる)、
腫れない抜歯ができると言われます。
私は、「必要な腫れ以上は腫れさせない。60分〜120分以内抜歯」を基本としています。
60分以上もかかるの?と思う方もいらっしゃると思いますが、抜歯の前・後の処置も含めての時間、一連の抜歯の流れの時間になります。
患者様からは、痛くなかった!
親知らず抜歯、腫れなくてびっくり!
友達から本当に抜いたの?と聞かれました。
などという声をいただきます。
なぜ必要な腫れ以上は腫れさせない抜歯ができるのか?
(あまり腫れない理由を考えてみたら、抜歯の時に、わたしは歯にあまり力をかけない、といいますか、
力がないからかけれない。だから侵襲が少ないのかなと思います。)
それをふまえると、力よりテクニック!「抜くときに押さない、力をかけない、歯を浮かせるように抜く」 それが私の答えです。
今やCT分析は必須、そしてマイクロサージェリー用の小さな器具を使うことで、歯と骨の境界線をクリアに出すことも容易になり、
無駄に骨を削ったり歯や周囲組織に余計な侵襲を加えることなく、優しい抜歯が可能です。
この難抜歯の中でも、癒着歯と呼ばれるケースや、骨の深い位置に埋まっている歯、オトガイ神経(下歯槽管)に触れている、
または食い込んでいるケースは、神経の損傷のリスクが高まり、時間も要すること(3時間以上の抜歯)が想定されます。
その場合は、より徹底したシュミレーションと、2回法で抜歯をする選択をとることがあります。
2回法とは、1回目で歯の頭を除去し、周囲骨をやや削除することで、空間が出来たことによる歯の萌出力で歯根が動ぐことを利用、数カ月〜半年置き、神経と離れた後、残りの歯根を抜く方法です。
難抜歯を1度で終えようと長時間となったオペの侵襲、時間、ストレスや偶発症を軽減できることが利点、
オペを2度する必要がある事が欠点となりますが、患者様に無理な負担やストレスをかけることなく、安心安全だと思います。
抜歯は時間がかかるほど、侵襲は大きくなり、麻酔も多くなり、負担も大きくなります、
また、歯や周囲の骨に加える力も必要以上に大きくなるだけでなく、長時間晒されることになり、結果、ひどく腫れるのです。
患者さんの記憶の中に、最悪な恐怖体験として残ってしまわないように細心の注意が必要です。
私は、抜歯後は必ずレーザー照射をし、殺菌・無菌化、完全止血をします。
レーザーにより、コラーゲンやヒアルロン酸といった真皮の成分を作る線維芽細胞が元気になり、
治りを早くする効果があるため、“レーザーなし”よりも本当に、格段に早く、綺麗に治ります。
親知らず難抜歯症例 #1
親知らず難抜歯症例 #2
親知らず難抜歯症例 #3
「親知らず抜歯」、これからは難抜歯も女性に診てもらうのもいかかでしょうか?
女性でも的確な親知らず抜歯ができます。女性だからこそひどく腫れさせない配慮ある親知らず抜歯ができます!
※ 2回法を選択した場合、歯の動きは年齢と個人差があるので、半年〜1年でも予想通り動かない場合もあります。
その場合は根っこをそのまま置いても大丈夫です。
欧米ではあえて歯根を置いてくる方法を歯冠切除術と呼び、有効な方法としています。
もちろん、1度で抜くことがベストですが、状況により方法を変えることもプロフェッショナルであれば当然のことだと思っています。
虎ノ門デンタルプラクティス(TTDP)
院長 長坂ヒロコ