今だに「インプラント」という大きな看板や広告を目にすると、恥ずかしい思いになります。
なぜなら、2023年現在、インプラント治療は全盛期の終わりを迎えていると個人的には思うから。
2000年前後はインプラントの過渡(浸透)期、それから成長(発展)期 〜 全盛期を迎え、約20年以上経過した今、時代は、歯科インプラント治療に終わりを告げているような!? 第三の歯(第三生歯)の発生の実現、実用化が2030年頃には可能になるのではとも言われています。
もちろん、インプラント研究は続き、さらに進化したものが登場するのは間違いないでしょうけれど、
むし歯がなく、歯を失う人が少なくなれば、インプラント治療の必要性はなくなります。
歯科インプラントとは、歯のない部分にする治療の一つで、歯があれば必要ない治療です。事実、今の40代、50代にくらべ、若い世代の患者様はむし歯は全くない、または非常に少ないです。
(ただし、むし歯がなくても歯の神経を失うリスクはありますので、定期的な検診、クリーニングとかみ合わせチェックが必要です。)
インプラントの歴史は約70年ほど、ある研究者がチタンと骨が拒絶反応を起こさず結合する現象(Osseointegration)を発見、
それを歯科に応用、偶然の産物なのです。
歯を支える歯槽骨のハウジングを最大利用した治療法です。
つまりインプラント治療は骨を作る、維持する治療になります。
正しい術式で治療と管理をすれば、本当に素晴らしい治療法です。
(※もしすでにインプラント治療をされている方なら、必ず自分のお口の中のインプラントメーカーとロット番号はきちんとメモしておいてくださいね。将来、問題が起きた時に困らないように。)
私は卒後すぐの約20年前、そのインプラント過渡期〜成長期に、インプラントセミナーばかり受講していました。
内容は、インプラントの埋入方法やテクニックがほとんど。
しかし、正しく骨に埋入したインプラントを長期的に維持するには、
かみ合わせを診ることが重要だとその後知るのです。
なぜなら、数年後にインプラントにトラブルが起こるケースの多くが咬合の問題だったからです。
私は外科治療、インプラント治療も行いますが、必ず咬合検査と確認を行います。
自分自身も奥歯にインプラントが4本入っていて、定期的に咬合を確認してもらい、問題なく快適に維持されていますし、
自分自身が経験して、患者さまにもどういったものかをお伝えできていることは良かったと思います。
もちろん、自分の歯を失わずにいるのが一番良いです。
たまに患者様から、私はインプラント治療が必要でしょうか?と聞かれることがあります。
歯があれば必要ないものですし、アクシデントで歯を失わない限り、無縁の治療だとご説明します。
アクシデントで歯を無くしたり、先天的に歯がない部分に応用、神経がない歯の予備軍として、
今後はより特定の場合に限り、インプラント治療が選択、利用されるのでしょう。
神経のない歯は弱く、歯の破折や根っこの病気などが起こる可能性があります。
年齢とともに歯を失う原因になる歯は決まって、神経のない歯ですから。
インプラント治療をしないためには、歯を失わないことです。
歯を失わないようにするには、歯の神経を取らないことです!
歯の神経を取らないようにするには、むし歯をつくらないこと!
むし歯以外で歯が痛くなり、歯が抜ける原因は、咬合干渉などのメカニカルストレス(物理的に加わる余剰なチカラ、刺激)。この問題を確実に診断・治療できる歯医者へ行くこと!
そして、むやみに歯を削ろうとする歯医者から離れることです!
そうして、天然の歯を守り、失わなければ、
インプラント治療はあなたから永遠にさようなら!
歯を失わずに痛い思いをせずに、自分の歯で100歳時代を迎えるためにすべきことのヒント・・別のコラムでご紹介!
それではまた。
虎ノ門デンタルプラクティスTTDP
長坂ヒロコ