症例ギャラリー
No.23 右奥歯の慢性痛を除去、かみ合わせを良好にしてから、矯正治療へ
はじめの相談内容 | 右側の奥歯と顎が痛い。前歯が開いているのを治したい。 |
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治療内容・ 説明 | 19歳男性。高校生の頃から右側の顎に違和感があり、痛みがある時は口を開けることもつらく、常に偏頭痛がある感じだったとのこと。 かみ合わせ検査より、右側の奥歯に強い干渉部位を確認。顎を前や左右に動かすどの動きにも、右の奥歯があたり、引っかかっているため、右の顎や筋肉が常に引っ張られ、慢性疲労を起こしていると判断。 また、舌癖があり、常に無意識に舌を前に出すため、前歯の広がりと唇の緩みを助長させていた。 まずは、口腔筋機能療法(MFT)を行い、舌の癖を取り除き、舌の正しい位置を覚えてもらい、お口の筋肉のバランスを整える。 咬合器での診断をもとに奥歯の干渉部位の咬合調整後、すぐ右奥歯の痛みや違和感は消失した。さらに、親知らずを上下左右4本抜歯後、歯は自然の力で急速に動き、 初診時と比べ明らかに前歯の空隙は少なくなり、口元にも締まりが出てきたのが見てわかる。 奥歯の咬合もやや理想の位置に近ずいてきていた。必要な前処置を終え5ヶ月目、矯正治療へ移行。 インビザラインでの矯正治療(場合によりブラケット矯正を併用)、矯正治療期間は約1年4ヶ月の予定。 ※ポイント! 年齢が若いことで歯の動きが非常に早いと実感。矯正治療が前提であっても、何もしないで(かみ合わせの調整等) 矯正治療へ移行する場合とでは、矯正の診断と治療期間が全く異なってくることは非常に重要な点です。 このように咬合器を使用し、的確な咬合干渉の調整と、親知らずの抜歯だけで、ここまでかみ合わせは、より良く変化することを知ってほしいです。さらに矯正治療は見た目(審美)が重要な目標の一つですが、同時に、安定した咬合を作り上げ、長期的に維持できる健康的な咬合(機能)も重要な目標と言えます。矯正治療中は常にかみ合わせが変わるため、定期的なクリーニングと同様に、かみ合わせの確認と調整も行います。
※ 関連症例
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0-1. 初診:口腔内写真(正面)
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0-2. 初診: 口腔内写真(右側)
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0-3. かみ合わせ検査:フェイスボウトランスファー
頭蓋骨に対しての上顎の位置を確認し、身体の軸を確認する。
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0-4. かみ合わせ検査:Kavo咬合器に付けた模型
咬合器に付けた石膏模型でかみ合わせの確認(正面やや下側からの図)
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0-5. かみ合わせ検査: Kavo咬合器に付けた模型
通常は見ることのできない喉側から、かみ合わせを見た図。
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0-6. 初診:CT画像 顎関節(右側)+前歯
セファロ分析:
骨格系 (skeletal class Ⅰ)ただし、skullに対して上下顎骨は前方位。 -
0-7. 初診:CT画像(右側) 軟組織(口唇)+前歯
下唇が出ていて、口唇に緩みが見られる。
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1-1. 3週間後(正面)
奥歯のかみ合わせの干渉部位を2度調整後、前歯の開きがここまで閉じた。
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1-2. 3週間後(右側)
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1-3. 5ヶ月目:CT画像(右側)顎関節と前歯
0-6.の画像と比べ、明らかに前歯の開きが閉じている。
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1-4. 初診から5ヶ月目: CT画像(右側)口唇と前歯
口唇に締まりが見られる。初診とは大きく変わったが、
*セファロ分析より、E-line: 上唇はやや後方位、下唇は前方位である。 -
1-5. 初診から8ヶ月目:CT画像(右側)口唇と前歯
1-4.の3ヶ月前の口元に比べて、さらに締まった口元になっているのがわかると思う。
治療期間 (所要時間) |
歯の調整と親知らずの抜歯等の前処置:5か月 |
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治療費※ | TOTAL¥170,000+tax |