ある大学病院の歯科ドック項目は、オプションを含めて9つ。
その中の口臭検査、プレストロンという器機で息を分析します。
それで分かることは、「口くさっ!」ってことです。
また、オプションでむし歯歯周病菌-原因菌PCR検査(歯周病原因菌5種PCR検査¥33,000 むし歯原因菌2種PCR検査¥19,500)というものもあり、
唾液を採取して、細菌を調べます。
それで分かることは、あなたのお口の中には、こんな種類の細菌がウヨウヨしてますよ、
すごい菌います、この種の細菌は1ヶ月前のものですね、きちんと磨けていませんね。ってことです。
そして、咀嚼(かむこと)能力の診査では、特別なグミを噛んで噛む力を測定するだけのようですが、
噛む力が強い弱い、左右差があるかないかを知るのだと思います。
噛む力を知ってどうなるのでしょうか?
今ではなくなった人間ドックの握力検査と同じ感覚。
握力すごい!あまりない。だから?
これらの検査結果で言われることは決まって、歯磨き指導と定期的な歯医者でのクリーニングと食生活の改善でしょう。
検査で分かることが、実際にそうなんだと確信になるだけの、数値化されるだけであるならば、
そんなに重要性もないような、有効な検査とは言えないと思います。
他の項目は、
顎関節診査・・口を開けた時の開き方、痛みのチェック
プラークチェック・・染め出しをして、磨き残しがないかのチェック
歯列の光学印象撮影(3Dスキャン)・・見えにくい歯の裏側を含めて、歯列や歯肉の状態をチェック
光学印象撮影(3Dスキャン)以外は、昔からあるごく一般的な検査です。
これらを知るために、検査1〜9項目を2時間で行い、
基本検査費¥50,000 歯周病原因菌5種PCR検査¥33,000 むし歯原因菌2種PCR検査¥19,500
3次元画像データ提供料¥5,500 合計¥108,000を支払い、別日に説明30分のために再度行くのです。
さすがにこれは価値があるのか疑問です…正直、私はこの歯科ドックは受けません。
この歯科ドックで何を見つけ出せるでしょうか?
本当に必要な検査は、根本的原因の対応、予防ができないと意味がありません。
咬合検査であれば、顎関節の位置や状態を知らずして、歯の問題やかみ合わせの問題は抽出できず、問題解決しません。
また、骨格的な検査により、咬筋の走行で噛む力が強い傾向なのか弱いのか分かりますし、
噛む力が弱くても、かみ合わせ検査により、奥歯に干渉している歯があったり、
歯列が乱れていたりすると、歯ぎしりを引き起こし、歯と歯を強く噛み締め、摩耗が進みます。
個々の状態がなぜそうなっているのか、一連の機序の説明ができない検査をしても、意味がないのです。
当院の歯科ドックは、より機能的分析ができるかみ合わせや顎の動きの検査を行なっています。
検査により何が起きているのか、何が問題なのか、または何の問題もないのか、
どこを予防すれば今後の問題にならないのか。実際に完結できるような検査項目になっています。
決して手軽な安価な検査ではありませんが、満足の頂ける歯科ドック健診となっています。
【検査項目】
1.口腔内検査
2.口腔内/顔貌撮影
3.CT撮影(顎関節含む)/セファロ撮影/デンタルX-ray撮影
4.筋触診と筋マッサージ
5.かみ合わせ検査
6.顎機能検査
7.スペシャルクリーニング
【所要時間】3時間
【検査費用】¥99,000(税込)
3週間後に検査結果のご報告(約60分)
※結果詳細ファイル一式をお渡しします。
ご希望あればCT画像をメールにてお送りいたします。
むし歯がなくなる時代がやってきます、
その時必要な検査は機能的咬合的な検査である必要があります。
なぜなら、これからはより機能的なメカニカルストレスが歯のトラブルの原因になるからです。
歯を健康に守るための歯科ドック、ぜひお考えください。
虎ノ門デンタルプラクティス
長坂ヒロコ